今年からBAUMは米国・ポートランドに加えて、デンマークとの仕事をはじめている。なぜ藪から棒に北欧に、という声もあるかもしれないけど、きかっけはポートランド。air bnbのホストとして知り合った人がデンマークのソーシャルイノベーションの学校カオスパイロットの卒業生で、その縁でつながった輪。こういう具合で人の出会いとつながりを生んでくれるair bnbは実はとってもソーシャルネットワークサービスなんだと思う。とうことでまだまだ知られていないデンマークのこと、少しずつ紹介しようと思う。ちょっとデンマークのことが続くかもしれないけど、もちろんポートランドとは今でも熱くて毎日何かしらのやりとりがあるのでご心配なく。廃棄されてしまう食材を使うレストラン、私立の公共施設、北欧サーフブランドなどなど、新しいコンセプトのものにたくさんふれてきたので時間を見つけて順々に書いてみる。

まず何よりも大切なのはデンマーク人がどんな人たちなのかを知ることだと思う。日本の1/22の人口、550万人しかいないデンマークからなぜイノベーションがうまれてくるのか。その基礎はすべてこの概念にある。

Hygge。
ヒュッゲと読む。
僕がこの言葉に出会ったのはたしか社会人2年目の頃。
パン屋さんを担当していた。いろいろと思い出深い仕事だった。
ヒュッゲはそのパン屋さんのコンセプトワード。
商品もお店も、ヒュッゲになるように作られている。
今でもその仕事の経験はとっても生きている。

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Hyggeはデンマーク人の大切にしているプリンシプルだ。つまり行動規範。
Hyggeは他の言語にしづらいと言われている。
英語だとCalm,relax,gatheringあたりをひっくるめていて
日本語だと、和む、ほっこり、いやし、つどい、あたりを
ひっくるめた意味になる。
前出のパン屋さんのWEBにはこう訳されている。

「人と人とのふれあいから生まれる、温かな居心地のよい雰囲気」

デンマークから生まれてくるほっこり話はすべて、この概念が根底にある。
Hygge。ヒュッゲ。
デンマーク人の謙虚さ、誠実さもすべてこれからうまれてくる。
そこから生まれるいろいろな興味深い事象は今後書く風変わりでエクストリームな事例から伝わるはず。

デンマーク人いわく、世界的に有名な家具や建築、そして平均50%の所得税に代表される福祉国家の社会システム、全てはヒュッゲのためにあるそうだ。
家族との時間、友人との時間がファーストプライオリティ。すべてはそのためにデザインされている。
だから勤務時間は短く、夏場は働かず、そして家具も建築も人の集いの時間を中心に作られている。

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たとえばこれはデパートの地下にあるフードコート的なところ。
下りエスカレータからはまずこの風景が見える。これはここだけではなくて、モールなどの商業施設にも共通している。壁をつくらないで、人の集いのたのしさを共有する。街を歩いていてもそういう様子に多く遭遇できる。ポートランドと同じく、路面の店舗はガラス張りが多く、外を向いている。Copenhagenに多い、昔の暖房室や調理室だった半地下のスペースをリノベーションした店舗も、冬の寒い時期でも外席を設けている。寒がりの僕としてはまったく共感できないけど、その席でもたのしそうにお茶をしている老夫婦がいたりする。「ヴァイキングの子孫だからへっちゃら」なんだそうだ。われわれサムライの子孫は機能性肌着を次々に発明する寒がりたちだ。

デンマークのエアラインはスカンジナビア航空。東京からコペンハーゲンには直行便がでている。このスカンジナビア航空のCAたちはちょっと他の航空会社と違う。欧州系の接客はどんどん改善されてると思うんだけど、スカンジナビア航空はなんだか独特。デンマーク語のやさしい響きもあるんだけど、デンマーク訛りの日本語で「お茶〜」「コーヒ〜」なんて声をかけながらサーブしてる。そして休憩時間はたのしそうにギャレーで会話してる。たまたま御手洗まちでそばにいたら、男性CAさんがはなしかけてきて、「ねえねえこれ知ってる?これ世界最高のカップラーメンだと思うんだよね!ドンキョホッテで買ったんだよ」っていう具合でカップヌードルカレー味をカバンからだしてきてくれた。「たぶんドンキホーテって言いたいんです」と他のCAさんがあいの手。この感じが、アメリカのフランクとまた違っていて、ヒュッゲな輪にふいに入れてもらった感じがある。ところでスカンジナビア航空は、オリジナルのミッケラービールが飲める。なんて幸せ!

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ヒュッゲというのは、BAUM(=場生む)が考える場づくりの概念の発展にも大切だと思う。僕らの考える場は、米国的な創発による新しい価値をつくるということも大切だし、その場の体験の共有の積層による関係づくりというのも大切。今後のBAUMの場にはよりヒュッゲなものが増えてくること、期待してください。