デンマークで見た超福祉な未来

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夏のデンマークで、3週間の公演のチケットが即日売り切れる人気のサーカスがある。
そのサーカスは特別だ。
ここではソーシャルイノベーションに取り組む学校カオスパイロットの友だちが
働いているが、
サーカスとは容易に結びつかなくて不思議に思っていた。

コペンハーゲンの誰もが知っているような有名なものでもないし、英語で紹介もされていないので
半信半疑ででかけた先に広がっていた光景は、なるほどこれはイノベーション!

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(車いすの子はもちろん、ダイナミックな乗り物として障害のない子もたのしめる)

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(車いすに乗っているとみんなより大きい車に乗れる)

これはサーカスのショーそのものではなくて、開演までの時間と仲入りの時間をたのしむための小さな遊園地空間だ。
大人も子どもも愉しめるアトラクションが色々と用意されている。

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(焚き火マシュマロコーナー)

4年前にピープルデザイン研究所に賛同して彼らのコンセプトを表すスローガン「超福祉」を書いて以来、
それはどう実現されるのか、どんな未来がありうるのか世界のあちこちを見ながら考えてきた。

コペンハーゲンで出会ったこの光景には膝をうった。
いい直球だと思う。
シンプルなコンセプトを高いレベルのデザインと演出で
実行できているのはなんともデンマークらしい。

意識の壁をなくしていくには
子どもの時の体験って大切。
高福祉国家であっても、このサーカスは日常的な光景ではなく
新しいものとして親たちにも子どもたちにも熱狂的に支持されている。
例え日常を変えられなかったとしても、この遊具で遊んだ子どもたちの
点の記憶は強いものに後々なっていくはずだ。

__

最後に4年前に考えたことを振り返ってみるために
当時書いたコピーをそえておきます。

ピープルデザインがえがく「超」福祉

道の段差はお金の問題もあり、すぐにはなくなりませんが、
心の段差は行動次第で埋めていけます。
でも、行動を変えるには、きっかけと勇気、
そして何より街の空気の変化が必要です。
ピープルデザインが目指すのは
ひとりひとりの気持ちのデザイン。
違いを受け入れて、助ける必要があれば助け、
理解する必要があれば理解する。
そういう人が増えて、空気が変わっていけば
マイノリティの人たちも臆せずに街に来てたのしめるはずです。
そのために私たちは既存の常識や考え方にとらわれず、
クリエイティブに、たのしく、気持ちが動いていくような取り組みをしていきます。
どんなものも吸収して、新たな文化にしてきた
シブヤだから目指せる、みんなが幸せのかたち。
いわば「超」福祉な街を目指して活動していきます。

おにぎりを食べにでかける

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「おにぎりが食いたい。
できるだけうまいおにぎりを。」

時差ボケで早起きしてしまった週末の朝4時半。
人生最後の瞬間のようなフレーズが脳裏に浮かんだ。

おにぎりを美味しく食べるには。
うまい米。
うまい海苔。
うまい具。梅干し?おかか?
いや、なんだか違う。
おにぎりってそういうことじゃない。
(それもあるけどね)

空腹だ。
気持ちいいくらいの空腹感が必要だ。
そして、外出。家に居たのではいかに
よい食材を誂えても、”携行食”たるおにぎりの面子がつぶれる。
外出+気持ちいい空腹感?

そうだ、山にいこう。

週末のひとり時間といえばもっぱら、
本、ビール、ジム、DIY、カレー、仕事・・・他がぱっと思いつかないけど
だいたいインドアライフを満喫している普通の中年男子にとっては
なかなか思い切った決断と言っては言い過ぎで格好わるい限りだけど
ひとりで行くなんてちょっと勇気のいる選択だ。

そこから、山関係の本をさがし、
心地よい空腹が得られそうなそこそこ難易度が高くて
冒険的なところがあって、それでいて危なくない山を探し、
持ち物をなんとかそれらしきもので揃えて、
山へ向かった。

選んだ山は1000メートルくらいの山。
初心者たる僕にはどれくらいの難易度なのか、
初〜中級というインターネットの情報を頼りにする他なかった。

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(コースつくるひとすごいですよね)

コースを間違えるし、ぬかるみに難儀するし、
片道2時間半の道程は、想定外。
とんでもない疲労と限界なる空腹感を与えてくれた。
空腹!
そう、そこだけは予測に結果がついてきた。

山頂。
霧でほとんど眺望はなかった。
いよいよ待ちに待ったおにぎりの時間。
おにぎり最高!
目的達成。
ついでに火を起こしてメスティンでおじやをつくる。
うまい。
なんて、あったかいんだ。

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(おにぎりをおじやにする)

その後は、膝に腰にじわじわくる
ぬかるみの下り。3時間かけて下山。
無事でよかった。

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(ストック大事!)

やっぱり山のごはんはおいしい。
海もいいけど、山は格別。
経営って孤独な悩みも多かったりするけど
お酒と対話してうじうじするより
山でぜえぜえ言いながら考えたほうが
すっきりした結論がでる。
ということできっと仕事にもいい効果しかないだろうから、
毎週行くわけにはいかないけど
徐々に難易度を上げながらたのしみたい。
(あぶなくない範囲で)

Category: DIY, みつけたこと

Crying over spilt milk

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cpt 2016-07-04 17.46.56

「マンションの自治会です」

何年か前に深澤直人さんのインタビューに同席する機会があって、最近苦労されてることを伺ったところこんな答えが帰ってきた。大人物たる深澤さんでさえ苦労される「マンション自治会」。ずっと興味があったが、賃貸向けの集合住宅には自治会はないわけで、あこがれにも似たものがあった。

いま、僕は古めかしい分譲マンションに(賃貸で)住んでいる。設計の古さは目立つし完璧なる快適さはないけれど、古い石がたくさんつかってあったりして、気に入っている。なにより、自治会があるのだ。

さあ、その自治会、気にはなるし、エントランスの掲示板で情報は得られるのだけれど、賃貸入居者たる僕には敷居が高い。「参加・見学自由」と書いてある定例会は平日昼間なわけで参加はできない。何度かロビーでの会合を目にしたけれど高齢世帯が多いからか、牧歌的な雰囲気がただよって・・・いた。そう、過去形だ。ここ半年くらいのうちに、劇的な政変が起きたようで、理事ががらっと変わって、結果的にどうなったかといえば管理会社が交代して、暮らしの利便が大きく変わった。宅配便受け取りサービスが廃止されて、もう不便この上ない・・。

議事録と行間から察するに、管理費と積立金の運用における優先順位と守るべきものが変わったのだ。古いからできるだけ積立金にまわしたい。余計なコストはカットしたい。昼間もいる世帯のほうが多いから余計なサービスはいらない。管理コストはIT化して減らす。多数派(=高齢世帯)の合理的な選択なのであって全体としては正しかったと思う。短期的には。

その他色々の変更を見ると、どうも短期的には良さそうでも、前進してそうでも、周囲との関係性とか長期的に考えると、大きな問題のありそうなことも多い。

と、分析してみたところで賃貸入居者たる僕には参政権すらなかったので受け入れるしかないのだけれど。

原則やルールが変わってしまうことの不利益を想像することは難しい。そもそも人間は不幸の想像能力がそんなに鍛え上げられていない。美味しいものの味を想像するのは楽しいしけっこうできる訳だけど、不味いものの味は想像しづらい。ケガの痛みなんかもそうだ。この半世紀ほどはルールが変わったことで不利益を被った経験のない人のほうが多いのだから、それはなんとも危ない。

もし僕が分譲の物件を所有してたらきっと自治会にもなんとか参加して、短期的な利益への偏向について議論を向けていたはずだ。引っ越すまで多少の不便は我慢する他ないのだ。

Mikkeller Tokyo in Kyoto

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人のつながりっていうのは不思議なもので、最近は不意なところで誰かに紹介されることが多い。
2月、ポートランドのつながりが広がって訪問してたコペンハーゲンで知ったのが東京からの悲しいニュース。
大繁盛していた渋谷のミッケラーが閉店するという。当時まちがいなく文字通りかっこいいお店だったし、かっこいいお店が苦手な
僕も週に1回は行ってたと思う。友だちとの一杯目にはちょうどよい場所だったし、僕自身、代田の信濃屋で出会ってから数年来のミッケラーファンだったから、
なんとも驚き、消沈した。そんなことをFacebookにポストしたらこれまたポートランドの別の人が、ミッケラーのナイスガイを紹介してくれた。
デンマークから帰国後、ハミルトンに会って、WATの石渡さんを紹介して、紆余曲折あってそのポストから3ヶ月後の先週末、
Mikkeller Tokyo in Kyoto が実現した。1週間のポップアップ店舗。お陰様でいっぱいのお運びで、満員御礼。
コペンハーゲンとポートランドとトーキョーの人がぐるぐるとつながって、なぜかキョートで結実するこの不思議。
不思議だけど身体感覚的にはなんとも自然だった。

ところでこのお店は先月オープンしたばかりのビールと日本酒のお店BEFORE 9をお借りしてる。二枚目の写真のように袖触れ合うも他生の縁な卓の設計が絶妙で、ミッケラーとのコラボレーションの次はCOEDOさんとのコレボレーションだそう。たのしみなお店がまたひとつ増えた。

食品廃棄レストランにみる小さくはじめるイノベーションのヒント -デンマークのはなし(2)

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cpt 2016-04-21 14.39.21

4月にEcozzeria.jpにコペンハーゲンの廃棄食品を使ったレストラン、rub&stubのはなしを書いた。

この記事では仕組みを説明したり、お客さんとしての感想も書いたけれど、
特徴的なのがはたらく人たちがボランティアであるということ。

このレストランはボランティアによって運営されている。運営の安定性のために有給で雇用されているシェフやホールのリーダー、運営リーダーの他はすべてボランティアの市民たちだ。中にはぎこちなさの漂う人もいるが、それもこの場所の妙。お客さんは皆、コンセプトや仕組みに共感してきているからそうした面も楽しんでいる。きっと飲食店でボランティアで働くなんて、と思う人が多いだろう。

働いている人に働く理由を訪ねてみると、「この場所が好きだから」「たのしいから」「このプロジェクトを応援してるから」という声。誰もが楽しんで参加しているから、スタッフの間にもとてもいい空気が流れている。

 

そう、この新しい価値観の浸透のためにたくさんの人がここでボランティアで働いている。ベーシックインカムのある高福祉国家だからこそという見方もできるけれど、逆に言えばこういう価値観の更新へのコンシャスさがあるからこそベーシックインカムがあっても社会が成り立つ、つまり退廃的でやる気のない人ばかりでは到底成り立たない国のシステムがまわっているようにも思う。

下記は今朝タイムラインに流れてきたいつも楽しく拝読してる方のビールについてのお話。クラフトビールの会社は大小あれどという文脈。美味しいのは当然として、それに加えてコミュニティとの関わりで判断されるべき、と。たしかに有名ではあるのだけど空港以外で誰かと飲んだことはないビールも多いし、ある会社はとっても気持ちのいい大きなバーをパールにオープンしたけれど、増資によって潤沢な資金を持って急拡大するやり方を避難する声も多い。缶がかわいいあの会社なんかはオーナーが逮捕されちゃって色んな噂。ずっといる訳でもない外国人の僕にさえこんなにビールにまつわる話が入ってくるわけだから、もうポートランディアにとってビールはただ飲み物を飲むだけのことを越えてるのかもしれない。

コペンハーゲンやポートランドの新しい価値観でつくられる小規模なビジネスに触れていると、自分の選択が来月その会社があるかどうかを左右する感覚がある。先週来、飲食店の閉店についての記事がタイムラインでたくさんシェアされたけれど、なかなか自分の選択が対象の存続に関わることは想像しずらい。人間の脳の構造上、もうそれは仕方ないけれど、ブームとかそういうものを越えて、ほしい未来をつくりたいと思うのであればその価値基準(プリンシプル)を持った層がある一定人数いることがイノベーションの普及には欠かせないはずだ。なんだか長くなったけれど、ポートランドで起こっていたうねりは、そういった新しい生活価値へのアーリーアダプターの数が多かったことが大きく寄与してる。どちらも社会の仕組みの変容期における強烈な「不安定」が原動力になっていた。ポートランドは安定期にはいりつつあると言われるけれど、そこにまた動きをもたらそうとする人たちもいるのだからまだまだその動きは面白い。

デンマークのたった1つのレストランの小規模な挑戦はたくさんの支持をえて、廃棄食品のスーパーもできたし、欧州各国では廃棄食品への意識の高まりがでてきている。背景には食料需給におけるグローバルトレンドと政治があったりするわけだけれども、デンマークでの成功例は必ず参照されているはずで、つまり小さくても新しい価値観の旗が立って、それを正しく応援できるコミュニティがそこにあればちょっとずつモノゴトは動いていく。
小さくても旗を立てる勇気が必要だし、それを応援する勇気と根気はもっと必要だと思う。

さいきんの鹿児島

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cpt 2016-04-04 15.09.22

いま、鹿児島がおもしろい。
路面電車の軌道を緑化してみたり、
市役所裏の古ビルであたらしいsmall businessが
うまれていたり、駅ビルのイベントの質が非常に高かったりと
新しい動きがどんどん表にでてきてる。
有名なマルヤガーデンズやしょうぶ学園の取組みや
good neighborsの先鋭的な流れをうけて、若い世代がとても活発。
印象的だったのは各国共通、どこの国の若くて新しいことをしてる人がみんな口にする
「何足も草鞋をはかないとやってけない」
を楽しそうに話してくれる人が多かったこと。
日本史で有名な進取の伝統は健在のようだ。

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Hygge -デンマークのはなし(1)

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cpt 2016-03-03 13.24.29

今年からBAUMは米国・ポートランドに加えて、デンマークとの仕事をはじめている。なぜ藪から棒に北欧に、という声もあるかもしれないけど、きかっけはポートランド。air bnbのホストとして知り合った人がデンマークのソーシャルイノベーションの学校カオスパイロットの卒業生で、その縁でつながった輪。こういう具合で人の出会いとつながりを生んでくれるair bnbは実はとってもソーシャルネットワークサービスなんだと思う。とうことでまだまだ知られていないデンマークのこと、少しずつ紹介しようと思う。ちょっとデンマークのことが続くかもしれないけど、もちろんポートランドとは今でも熱くて毎日何かしらのやりとりがあるのでご心配なく。廃棄されてしまう食材を使うレストラン、私立の公共施設、北欧サーフブランドなどなど、新しいコンセプトのものにたくさんふれてきたので時間を見つけて順々に書いてみる。

まず何よりも大切なのはデンマーク人がどんな人たちなのかを知ることだと思う。日本の1/22の人口、550万人しかいないデンマークからなぜイノベーションがうまれてくるのか。その基礎はすべてこの概念にある。

Hygge。
ヒュッゲと読む。
僕がこの言葉に出会ったのはたしか社会人2年目の頃。
パン屋さんを担当していた。いろいろと思い出深い仕事だった。
ヒュッゲはそのパン屋さんのコンセプトワード。
商品もお店も、ヒュッゲになるように作られている。
今でもその仕事の経験はとっても生きている。

Hyggeはデンマーク人の大切にしているプリンシプルだ。つまり行動規範。
Hyggeは他の言語にしづらいと言われている。
英語だとCalm,relax,gatheringあたりをひっくるめていて
日本語だと、和む、ほっこり、いやし、つどい、あたりを
ひっくるめた意味になる。
前出のパン屋さんのWEBにはこう訳されている。

「人と人とのふれあいから生まれる、温かな居心地のよい雰囲気」

デンマークから生まれてくるほっこり話はすべて、この概念が根底にある。
Hygge。ヒュッゲ。
デンマーク人の謙虚さ、誠実さもすべてこれからうまれてくる。
そこから生まれるいろいろな興味深い事象は今後書く風変わりでエクストリームな事例から伝わるはず。

デンマーク人いわく、世界的に有名な家具や建築、そして平均50%の所得税に代表される福祉国家の社会システム、全てはヒュッゲのためにあるそうだ。
家族との時間、友人との時間がファーストプライオリティ。すべてはそのためにデザインされている。
だから勤務時間は短く、夏場は働かず、そして家具も建築も人の集いの時間を中心に作られている。

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たとえばこれはデパートの地下にあるフードコート的なところ。
下りエスカレータからはまずこの風景が見える。これはここだけではなくて、モールなどの商業施設にも共通している。壁をつくらないで、人の集いのたのしさを共有する。街を歩いていてもそういう様子に多く遭遇できる。ポートランドと同じく、路面の店舗はガラス張りが多く、外を向いている。Copenhagenに多い、昔の暖房室や調理室だった半地下のスペースをリノベーションした店舗も、冬の寒い時期でも外席を設けている。寒がりの僕としてはまったく共感できないけど、その席でもたのしそうにお茶をしている老夫婦がいたりする。「ヴァイキングの子孫だからへっちゃら」なんだそうだ。われわれサムライの子孫は機能性肌着を次々に発明する寒がりたちだ。

デンマークのエアラインはスカンジナビア航空。東京からコペンハーゲンには直行便がでている。このスカンジナビア航空のCAたちはちょっと他の航空会社と違う。欧州系の接客はどんどん改善されてると思うんだけど、スカンジナビア航空はなんだか独特。デンマーク語のやさしい響きもあるんだけど、デンマーク訛りの日本語で「お茶〜」「コーヒ〜」なんて声をかけながらサーブしてる。そして休憩時間はたのしそうにギャレーで会話してる。たまたま御手洗まちでそばにいたら、男性CAさんがはなしかけてきて、「ねえねえこれ知ってる?これ世界最高のカップラーメンだと思うんだよね!ドンキョホッテで買ったんだよ」っていう具合でカップヌードルカレー味をカバンからだしてきてくれた。「たぶんドンキホーテって言いたいんです」と他のCAさんがあいの手。この感じが、アメリカのフランクとまた違っていて、ヒュッゲな輪にふいに入れてもらった感じがある。ところでスカンジナビア航空は、オリジナルのミッケラービールが飲める。なんて幸せ!

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ヒュッゲというのは、BAUM(=場生む)が考える場づくりの概念の発展にも大切だと思う。僕らの考える場は、米国的な創発による新しい価値をつくるということも大切だし、その場の体験の共有の積層による関係づくりというのも大切。今後のBAUMの場にはよりヒュッゲなものが増えてくること、期待してください。

ダンデライオン チョコレート

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あえてこんな書き出しにしてみる。
サードウェーブって言葉はとっても不思議で、アメリカでは聴いたことない。
クラフトビールも、クラフトサイダーも、クラフトコーヒーも、その他もろもろのクラフトフードもアメリカの仕事で関わってきたけど、まあ、言わないなあ。
そもそも、「サードウェーブビール」なんて言った日には、リキュール類とかに分類されそう。
ということで、チョコレートにも、もちろんサードウェーブなんて、ない。

代わりに使われる言葉は、「craft」と「small batch」。
ほぼこれしか使わない。
アメリカでは、食べ物って工場からやってくる大量生産品が普通。
ビールも冷凍食品も、はたまた野菜さえも、工場でキレイにパッケージされて
SAFEWAYとかの店頭に並んで、それを大量に買って、巨大な冷蔵庫に詰め込んで、たくさん食べる。
いわゆるステレオタイプ通りの暮らし。
量は違えど、日本の都市部の暮らしもこれに近いものがある。
コンビニに並ぶものも、都市部のスーパーに並ぶものも
ほとんど全てが工場からやってきてる。
今の地球の人口を維持するのに、工場で大量生産される
食品は欠かせない。高度に効率化されて生産され、
洗練された流通網で食卓にいきわたる食品こそが
都市化や、マクロでみると選択の自由を僕らに与えてくれてる。
アリとかナシとかの話でなくて、間違いなく現代においては
欠かせない仕組みなのだ。

アメリカは2008年の恐慌、日本は2011年の地震を境に、
食への嗜好は変わってきてると言われている。
正確にはマジョリティに対して、
違う感覚を持ったマイノリティが急激に増加した。
出世とか、よりいい家とか、よりいい車を持つことよりも、
毎日の食のことや、週末の過ごし方におもきを置く人が増えつつある。

チョコレートはまさに工場で大量生産されるものの1つの代表で、
そして成分についてもあまり気にされない食品でもある。
その辺りに全てピュアに向き合って、出来上がったダンデライオンチョコレートの
看板には「small batch」の文字がしっかり刻まれている。
それは彼らの誇りでもあるし、違いの証明でもある。

今回、日本上陸のお手伝いをしてみて何より刺激的だったのは
そんな彼らダンデライオン・チョコレートの企業カルチャー。

ポートランドでもたくさんの素晴らしい会社や人々と
出会ってきたけど、ダンデライオンはintegrity(誠実さ)が何より際立っている。
「とにかく美味しいチョコレートを作り続けたいんだ」
創業者のToddは、そのシンプルな信念と、高度な分析と科学的な解釈で
おいしいチョコレートを作り上げた。職人派の人とも、ビジネス派の人とも
また違う、なんだか新しいパワーとベクトルを持ってる彼と仲間の作り上げた、
そして海とか言葉を越えて想いをともにする日本のメンバーがつくった
とんでもなく純粋で、とっても美味しいチョコレートのことは、
書いても書いても伝わらないだろうから、
まずは味わってみて欲しい。

明日、2/11、DANDELION CHOCOLATE TOKYO
蔵前にいよいよオープン。

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Category: 仕事

Hello 2016

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2016

あけましておめでとうございます。

BAUMのホリデーカードは少し変わった言い回しの
メッセージをつくりました。
フランスの観光復興施策についてのプレゼンテーションを作っていた週に
考えたこともあって、色んなことに想いをめぐらせながら書いた文章です。
すこしニュアンスがちがってしまいますが日本語で言うとこういう具合です。

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平和な新年へ。

実現するには
私たちは、この休暇中に
よく考え、よく歌い、
よく愛し、よく笑い、
よく眠り、よく夢を見て、
そしてよく食べなくてはなりません。

__

カードを送る方々、この投稿を見てくれる
私たちのまわりの方々、みんなが
よき休暇の先に、よい仕事への活力があって
それがきっと世界の平和につながると思っていただけたら
嬉しいです。年末年始も様々な国の方に囲まれていますが
きっと日本の持っている潜在的な力は、世界を
よい方向に導ける、そう思っています。

Category: 未分類

街角のイノベーション

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cpt 2015-12-07 12.26.58

イノベーションというカタカナが苦手だったりする。
おそらく英語のInnovationとコンテクストが違ったり
ニュアンスが違うからだろう。
日本人的感覚からすると、ゴール位置に掲げられてることが多くて、
一気に高い位置にゴールを設定してしまっていろんなものを
奪ってしまうように感じる人が多いと思う。

本来的には、Innovationって、後からそれを評価するときとか
現実にそれを間のあたりにして感動したときに使う言葉だと思う。
Mosakiの大西さんの言葉をかりれば「カクヘン」だ。
ソフトよりの街づくりの現場だったりすると、ちょっとした工夫とか
変化が「カクヘン」を起こしたりする。
「あの瞬間、カクヘンおきたよね」
っていう具合に当の本人を後から褒めるのにつかう。
「あれって、イノベーションだったね」
うん、やっぱり後から使うのが自然。

さて、この週末は僕が長く講師を担当させてもらっている
丸の内朝大学のソーシャルクリエイティブクラスの初の試みを行った。
クラスで考えたアイデアを実際に、丸の内で実践する。
それも、この夏からはじまった車道交通封鎖をして
歩行者空間として活用する社会実験のプログラムにご協力いただいて
車道空間を使わせてもらえた。丸の内朝大学の学生のエネルギーを、
他のどこでもなく丸の内の真ん中で発揮できる機会。7年目での念願がかなったわけだ。

そんないい場所だったりすると制約はある。
でも制約こそクリエイティブの母
(ちなみにクリエイティブの父は鬱憤と思ってる)

時間も予算もない中、受講生は趣向を凝らし・・・すぎない企画を立てた。
企画の発表で講義が終了するなら、名前とか企画のこり方などが
耳目を集めるけれども、路上空間にでてしまうとそんなことは
関係なくなる。
道行く人が一瞬で理解できる「直感性」が最も大事になる。
0.1秒で何をしているか理解できるか、できないか、それが全て。
まるで屋外広告、だけど不意に出会って参加したくなる「場」ってそういうもの。

講義のテーマは開講以来変わらない「my街づくり」。
自分たちレベルで実施できる街づくりの企画を立てる。
Design Thinkingのプロセスをつかって、
Learnのフェーズでは実際に街にでて、街の人と話す時間をつくる。
5人以上の人に話をきく。きいた話から課題点の整理や
ヒントをさがしていく。
路上空間でどんな体験があると、街にいる人たちの街での経験は
よりよいもの、たのしいものになるのか。

ちなみにDesign Thinkingのプロセスは色んな流派があるけれど
BAUMで使っているのはこれ。
cpt 2015-12-07 15.43.00
長くなるのでこれの話はまた今度に。

さて、当日起こったことは。
長縄をする、とシンプルすぎる企画を立てたチームのところに
通りがかり65歳のお友達同士のレディが物珍しそうに立ち寄ってくれた。
嬉しそうに挑戦してくれた彼女たちが跳んだ瞬間、思った。
「Innovationだ!」

cpt 2015-12-07 12.26.32

cpt 2015-12-07 12.26.21

なんと50年ぶりに楽しまれたそう。
街全体の安心感がある丸の内だからこそできたことと思う。
街で学ぶ人が考えたことを、街に遊びに来た人が一緒にたのしむ。
世代も何も越えて一緒にたのしめる。
当たり前に、簡単にできそうなことのようで
多くの街は自然の摂理と経済原理によってそんなことは難しく
なってしまっている。

このチームは結局その日の1日中、街に笑顔をふりまきつづけ
参加者の跳んだ回数を合計してのべ300回跳ぶことを
目標にしていたがなんと結果3000回!

cpt 2015-12-07 12.37.29

「落ち葉ソムリエ」として落ち葉をきっかけにして街の環境や名所を紹介したチーム。
”アイデアは2つの要素の出会いでしかない”を体現したアイデアはやっぱり面白い。
cpt 2015-12-07 12.33.40

このチームは風船でクリスマスツリーをこどもたちとつくる試み。
cpt 2015-12-07 12.25.23

紳士淑女の「直感」を刺激したパターゴルフチーム。地面の凸凹がゲームをいっそう難しくする。
cpt 2015-12-07 12.31.30

丸の内のまんなかで、こたつでゆっくり本を読む。シンプルだけど非日常な体験。
cpt 2015-12-07 12.34.59

全体としてもとてもピースフルな風景になった。
cpt 2015-12-07 12.30.26

cpt 2015-12-07 12.35.43

道行く方からも
「やっぱり丸の内はおもしろいなあ」
「大人の大学はやること違うなあ」
なんて嬉しい声も。
打ち上げでの受講生のみんなの
満足気な疲労に満ちた笑顔が、よい一日だったことを物語っていた。